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Windy Fantastic Talk .5

 古き屋敷の並ぶ景観、屋台となっている敷地は玄関と言える門はなく、色の付いた細い旗に店の名前が書かれている。

 幽斗自身もこの景色は見たことがないわけではない、が、これ程までに世界観にのめりこんでいる様子は、感動すら覚えるところがある。

 それ故に、人々の視線が、怪訝そうな理由は予想が付く。

 例の子、と言いながらこちらを見つめる老婆がいる。気になって近づこうと試みるが。

「おい、お前」
「え…」
 大きな手だ、幽斗の行く道をふさいだと思ったら、自分が見上げなければ顔も見れないほどに大きな図体が現れたではないか。

 参った。よそ者はどうやら歓迎されていない雰囲気だ。

「私は、外界から来た者で…」
「んなこたぁ、見りゃわかるんだよ」
 話は通じる相手と見て、安心した。

「人間の里って所に行きたいんですが…」
 人々が顔を見合わせている、目の前の巨体も人々へと視線をやる。

「それは、どこから聞いた」
 情報の出所を知りたいのか? この町についてのことを一切しらないが故に、この閑散とした状況の理由を飲み込めずにいる。

「八雲紫さんって人からですが…」
「八雲…!?」
 予想していた空気から、一変した。

 野次馬がザワつき、巨体が後ずさり、自分を見ていた目は不穏を隠しきれていない色から、驚きや、恐怖の色が露になってくる。

「嘘っぱちついてるなら、容赦せんぞ…」
 八雲、と話しただけでこの怯えようだ。この調子ならもしかすれば、すぐに此処から抜け出せるかもしれない。

「嘘じゃないですよ、人間の里はどこに向かえばいいんですか?」
 状況を省みず、しれっと質問を戻すと、巨体はその大きな人差し指を、山のある方向へと向けて見せた。

「北東の方角だ」
 このマヨヒガは比較的高い位置にある町のようで、ある程度の地形は一望できるが、それでも町らしき様子は見当たらない。一日で着ける自信がすっかりと抜けてしまった。

「なにか、人間の里に効率よく…」
 そこまで聞いた瞬間だ、自分と巨体の間に突然、大きな風が巻き起こるではないか。幽斗はその風に大きく弾かれ、思わず尻餅をついた。

「なんだ…!?」
 砂埃を上げて唸りを上げる風、そして紅葉色の扇が渦を割き、一人の少女が姿を現した。

「どうもー、清く正しい身近な情報屋、射命丸で御座います!」
 黒い髪は砂一つかぶらず、赤い烏帽子をちょこんと乗せている。
黒の線を腰部にワンポイントついたワイシャツに、黒いフリルスカートがフワリと舞ってみせた。

 首から下がっているのは大きなカメラ、気づくと面が紅葉状になっていた団扇は仕舞い、その手には万年筆と手帳が握られていた。

「外界からこの幻想郷を一望したご感想をどうぞ!」
 筆の頭をこちらに向けて、にこやかに質問を向ける少女。まるで幽斗に有無も言わさぬ勢いで、だ。

 ぽかんっとしている様子に首をかしげ、返答を今か今かと待つ眼差しは赤く、風に乗って現れた黒い羽毛からして、カラスの様だった。

「君も、能力者ってことか…」
「んー、答えになってませんね~」
 あやーっと困ったような、おかしいような表情に変わっただけで、向けた筆と体勢は変わらずにいた。

「…面白い、と…思います」
「ん、まぁ、そうですよねー」
 ササッと手帳に何かを書き走ると、今度は後ろの巨体へと振り向いて。

「彼はどんな目的で此処へいらしたんでしょう!?」
 彼女と巨体では体格にかなり差があるが、勢いと言うか、雷のように手早い取材が、怯ませて来るようだ。

「人間の里に、行きたいとか…」
「なるほど! して、人間の里には何用で?」
 と、踵を返して素早く振り向き、幽斗に問う。

 なんだこの子は、まるで竜巻じゃないか。幽斗は尻の砂を払った。

「巫女に会う方法を教えてもらうんだ、帰るために」
「これはなんと…! 大冒険の予感がしますねぇ!」
 また忙しく筆を走らせる少女。その瞳にはワクワクや、ドキドキといったような表情が見て取れた。

「これは良い記事に仕立て上げ…じゃなかった、仕上がりそうですね! それでは、失礼しまーっす!!」
 そういって膝に力を込める少女。それはまるでスプリングのように彼女を空へと投げ出し、一気に加速して空へと消えて行った。

 本当に、嵐のような少女だった。

「ゴホッ、んん! あの娘は…」
 と巨体が話しかけてきた瞬間、背後にまた一陣の風が吹き荒れ、砂が舞い上がる。

 ひょこっと巨体の横から身を乗り出すと、少女は簡単に敬礼すると。

「私、射命丸文っと言った者なんですよ、これからも情報提供の方、よろしくお願いしますね!」
 そういって巨体の後ろから姿を消し、再び空へと消えていく。

「ああ…いう、妖怪なんだ」
「なるほど…ねぇ…」
 二人はただ、文の消えていった方向を、静かに見つめるしかなかったのだった。
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ーたんうかすせくあ


超どうでもいいヤツについて

sun

Author:sun
※ちなみに左が私です。
(絵:ちり紙さん 様)

性別:太陽
属性:情報専門学生
相棒:G'zOne t-X
好物:午後の紅茶MT
流行:艦隊これくしょん

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